作品番号:0014834
浜田知明 愛の歌
作品画像
作品の詳細
- 技法
-
銅版画
- 画寸
- 19.5 × 19.0 cm
- 額寸
- 46.1 × 36.5 cm
- 制作年
- 1957年
- 限定部数
- 200
- サイン
- 本人サイン
- 在庫状況
- 在庫あり
相場に合わせた適正価格で販売中!
価格のお問い合わせはこちら
作品の解説
「初年兵哀歌」シリーズで国際的な評価を確立した浜田知明が、その直後の時期に制作した一作です。 戦後日本を代表する版画家・彫刻家として知られる浜田知明は、自らの従軍体験を原点とし、人間社会の不条理や人間心理の深部を、ブラックユーモアと鋭い造形感覚で表現し続けました。 技法はエッチングを主体とする銅版画に一貫してこだわり、腐食の線が刻む冷たく金属的な質感こそ浜田が求める表現の核心でした。 1950年代初頭の「初年兵哀歌」が戦争の残虐さと不条理を直截に問いかけたとすれば、本作「愛の歌」が制作された1957年は、浜田の眼差しが人間という存在そのもの——その滑稽さ、哀しさ、ぬきさしならぬ弱さ——へと静かに向かいはじめた時期にあたります。 「愛の歌(Love Song)」という甘美なタイトルと銅版画ならではの硬質な陰影との間に生まれる緊張が、見る者に奇妙な余韻を残します。 浜田独特のデフォルメされた人体造形を通じ、愛もまた人間の不条理から逃れられないという静かな皮肉が、線の深みに刻まれているようです。 作品を厳しく選別し、年間数点しか発表しなかった浜田の仕事において、本作は200部限定、本人直筆サインという稀少性とともに、作家の転換期を記録する一葉として位置づけられます。