作品番号:0014541
志田展哉 migration 09#01
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作品の解説
深い藍から淡い青灰へと移ろう画面の中に、花弁のような小さな形象と円環の気配が静かに立ち上がり、ひとつの大きな流れを形づくっています。志田展哉《migration 09 # 01》は、上方へとゆるやかに伸びる動勢を持ちながらも、決して性急にはならず、沈黙のうちに生命の移動と生成を感じさせる作品です。滲むように重ねられた青の階調は、夜気、水脈、あるいは遥かな空間の深さを思わせ、その中を舞う白や金の線描が、儚さと気品を添えています。画面下方に集まる花々は豊かな生の象徴でありながら、全体は装飾に傾かず、余白と濃淡の呼吸によって端正な緊張が保たれています。可視の形と気配のあわいを丹念にすくい上げた本作は、静謐のなかに確かな律動を湛え、見る者の感覚を深く澄ませてゆく一作といえるでしょう。