作品番号:0013984
柳沢正人 フィレンツェの燈
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作品の解説
柳沢正人による《フィレンツェの燈》は、イタリア・フィレンツェの街並みを幻想的な光とともに描いたリトグラフ作品です。柳沢は1992年に五島記念文化賞による海外研修でフィレンツェに滞在して以降、この街を繰り返し主題として描いており、本作にもその深い憧憬と精神性が表れています。 画面には歴史ある建築群や塔が静かに浮かび上がり、夕暮れから夜へ移ろう柔らかな光が街全体を包み込んでいます。タイトルにある「燈」は単なる街灯の明かりではなく、古都フィレンツェに息づく祈りや文明の記憶を象徴しているようでもあります。繊細な色彩の重なりと大胆な構図によって、現実の風景でありながら夢幻的な空気感が生み出されている点も魅力です。 柳沢正人は日本画の伝統技法を基盤としながら、西洋都市の光景や空気を独自の感性で描いてきた作家です。特にフィレンツェを題材とした作品群では、宗教都市としての荘厳さと、人の営みが積み重なった街の温もりとが共存しており、《フィレンツェの燈》にもその世界観が色濃く表れています。