作品番号:0012973
児玉幸雄 広場の朝市
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作品の解説
児玉幸雄(1916–1992)は大阪に生まれた洋画家で、フランスを中心とするヨーロッパの街並みや広場、市場の情景を描いた風景画で広く知られています。関西学院大学在学中より洋画家・田村孝之介に師事し、1937年には二科展に初入選しました。戦後は二紀会の創立に参加し、同人賞や同人優賞を受賞するなど実力派洋画家として活躍しました。1957年に初めてヨーロッパへ渡航して以来、フランス各地をはじめ欧州の都市をたびたび訪れ、広場や朝市に集う人々の活気ある風景を数多く描いています。 本作《広場の朝市》は、児玉が好んで描いたヨーロッパの市場風景を主題とする作品です。石畳の広場に立ち並ぶ屋台や色鮮やかなテント、人々の往来が活気に満ちた雰囲気を生み出し、都市の日常の営みが生き生きと表現されています。軽快な筆致と厚みのある油彩のマチエール、暖色を効果的に用いた色彩は、児玉作品特有の温かみある情景を形づくっています。 市場に集う人々の姿や街の建築を巧みに組み合わせた構図は、異国の生活の躍動感と親しみを同時に伝えるものであり、ヨーロッパの街角を描き続けた児玉幸雄の魅力をよく示す代表的な主題の一つといえるでしょう。