作品番号:0010522
長谷川潔 玻璃球のある静物
作品画像
作品の詳細
- 技法
-
マニエル・ノワール
- 画寸
- 35.5 × 25.5 cm
- レゾネ No.
- No.307
- 制作年
- 1959年
- 限定部数
- 60
- サイン
- 本人サイン
- 在庫状況
- 売却済
作品の解説
本作は、長谷川潔が確立したマニエール・ノワールの精神性を、最小限のモティーフで純化して示す代表的な静物である。宙づりの小鳥、卓上の玻璃球、蔦の枝、幾何形体——それぞれは写実的でありながら、同時に抽象的な“記号”として配置され、重力や時間の感覚さえ希薄化した沈黙の空間を構成している。とりわけ玻璃球に映り込む微光は、腐蝕銅版特有の繊細な階調によって内側から発光するように描かれ、可視世界と不可視世界の境界を暗示する。吊られた鳥は生命の象徴であると同時に、運動を停止された存在として扱われ、自然と人工、偶然と理性の均衡が厳密に制御されている点に長谷川の本質がある。詩情と数学的構造が共存するこの画面は、彼が生涯追い求めた“精神の秩序”を静かに結晶化した一作と言えるでしょう。