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作品番号:0010451
ジョルジュ・ブラック Bass
作品画像
作品の詳細
- 技法
-
エッチング
- 画寸
- 45.5 × 33.0 cm
- 制作年
- 1950年
- 限定部数
- 50
- サイン
- 本人サイン
- 版元
- Maeght, Paris
- 在庫状況
- 売却済
作品の解説
繊細な線が幾重にも交差し、文字や記号、断片化された形態が画面の中に浮かんでは消えるように配されている。題名《Bass》が示す楽器の存在は、写実的な姿として明示されるのではなく、音の気配や構造の断片として画面の奥に潜み、見る者の視線の中で徐々に組み立てられていく。縦横に走る鋭い線、擦れたような陰影、ところどころに現れる文字の断片が、楽器、空間、記憶をひとつの平面に重ね合わせ、ジョルジュ・ブラック初期キュビスムの探求をよく伝えている。 ブラックは、対象を一つの視点から固定して描くのではなく、複数の視覚情報を同時に画面へ取り込むことで、物の本質に迫ろうとした。本作でも、音楽にまつわるモティーフは分解され、再構成され、静物でありながら知的な緊張に満ちた構成へと昇華されている。黒一色の抑制された版表現は、かえって線のリズムや構成の厳しさを際立たせ、視覚そのものの思考を促す。 《Bass》は、楽器という親密な主題を通して、キュビスムが切り開いた新しい空間認識を端的に示す一作である。音を見るように、形を読むように味わうべき、ブラックらしい知性と詩情に満ちた作品である。